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「苦難の世紀」に勝利をつかむ102の変革セオリー  
  
「経営予言」

じめに

 あなたの会社では、「これはこうやるのが当たり前だ…」「こういうことをしてはいけない…」という不文律を自分たちで作って、思い込みの中で経営してはいないだろうか?

 振り返ってみれば、戦後の50年間はあまりにも成功の連続であった。競合他社と同じような経営スタイルを取っていても、右肩上がりの成長が可能だった。そのせいか、これまで成功してきたやり方が無意識のうちに体に染み付いてしまい、それが経営の「常識」になってしまったように見受けられる。未曾有の不景気の中、多くの企業がどん底から這い上がれないでいるのも、過去の成功を引きずっている一つの証左と言えるだろう。

 ビジネスの成功法則が一変したかに思えるほど、時代の流れは激しい。しかし、実は、成功法則は少しも変わっていない。変わったように思えるのは、時代が変貌をとげているのに、変化していない自分の「常識」でものごとを考え、判断し、行動しているからである。

 これからの会社経営には、これまでの「常識」では考えられない「創造」性が不可欠となる。過去の延長線上には未来はない。何もしなくてもリスクはある。ならば、変化を楽しもう。勇気を持って「創造」の世界に挑戦していこう!

 中小企業にとって、今は絶好のチャンスである。経営環境が大きく変化する中で、大企業の多くは過剰設備投資による固定費が錨のように重しになり、思うように身動きが取れないでいる。柔軟性と機動性・即応性により環境変化に対応できる中小企業にとっては、まさに明治維新以来100年に一回、または敗戦以来50年に一度、やっと巡ってきたチャンスの時である。この好機をガッチリつかもうではないか!

 本書では、これまでの経営常識を打ち破るヒントを実例でお話しする。すべて私が仕事の中で実践してきたもの、経営コンサルタントとして顧問先の会社で体験してきたものばかりである。したがって、本書で提示しているノウハウは、斬新さだけを追い求めたものではなく、どこかの会社が既に実践して成果を上げていることばかりである。つまり、「やればできる」ことである。「知難行易」、すなわち「知ってしまえば実行できる」のである。

 本文中では、「今後の経営はこうしないと成功しない…」という書き方になっているが、裏を返せば「こうすれば成功する…」ということである。そういう意味で、「二一世紀までに、このような経営発想に切り替えなければ、企業は生き残りが難しくなる」という「2001年への変革指針」であり、「21世紀にはこのような経営発想が普通になっているであろう」という「経営予言の書」でもある。

 この本が主張する方向にそって、多くの企業が企業運営を改革し、二一世紀には再び「日本の世紀」という言葉が喧伝されるようになることを楽しみにしている。

 本書を出版するにあたって、ダイヤモンド社出版局の小川敦行さんには大変お世話になった。また、これまで経営の生の現場で様々な体験の機会を与えて下さった多くの企業の経営者や社員の方々に感謝する。

1997年6月
伊藤 隆

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組織を夜明けに導こう
「新選組と海援隊の経営学」

えがき

 1990年にバブルがはじけてもう8年になるが、日本の社会は相変わらず先行き不透明で、閉塞感から抜け出せないでいる。その原因は、皆が景気のよくなるのを待っているからだ。日本の経営者や従業員の全員が、「景気はいつになったらよくなるんだろう?政府は一体何をしているんだ!」と口を揃えて言うのみである。

 護送船団方式で、規制に守られた大企業の経営者の発言ならまだ理解できる。政府から保護は何も受けていない中小企業までが、お上頼りで、"御札(おふだ)"が天から降ってくるのを、空を見上げて待っている。待っているだけで、何もしようとはしない。

 

● 幕末と世紀末

 今から140年前にも、何もしようとしない人たちがいた。「幕末」の人たちである。「世紀末」といわれる平成の現在は、幕末の時代に世相がよく似ている。確かに、共に"末"という暗いイメージ、ビッグ・バンという名の開国、欧米列強のグローバル・スタンダードの押付け、外国為替レートの問題、護送船団方式(幕藩経済体制)の崩壊と競争原理の導入、物価問題(ただし、幕末は超インフレ、現在はデフレ)、財政の破綻(幕府は長州を征伐する資金がなかった)、金融システムの崩壊(大名貸しをしていた金融業者はほとんどが倒産した)…など、政・官・財が行き詰まり、閉塞感が充満した、明日はどうなるか分からない時代である。

 「世紀末」とは、1900年代が終り次の2000年代が始るという、一世紀の変わり目である。単なる世紀末であれば、明治時代にも一度経験している。実は、西暦でいうなら、1000年代から次の2000年代へ、1000年に一度の代替わり、「千年期(millennium)」なのである。「幕末」も同じである。幕末とは単に徳川幕府が崩壊しただけではない。その本質は、鎌倉幕府以来700年間続いた武家政権が崩壊したのだ。そして、1877年の西南戦争の終結をもって、武士階級は完全に消滅した。

 幕末も世紀末も、普段何気なく使っている意味よりはもっとすごい、時代の大転換期なのである。

 ではその幕末に、この大変革を予想して、自ら積極的に行動した者たちがどれほどいたのであろうか?何もしなかった藩、何もしなかった人が、あまりにも多すぎる。本文でもふれるが、日本人のほんの1%、多くて5%の人が、自らの意志で時代を切り開こうとしただけである。そして、行動を起こした人々のほとんどは、薩・長・土・肥の「藩」に所属していた。

 例外もある。既存の「藩」をベースにせず、志や野心を持つ個人が集まって新規に組識を編成して活躍したのが、「新選組」と「海援隊」である。

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日本40年トレンド説
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